体力向上への取り組み 学力テストと密接な関係
21年度「体力テスト」に必ず参加せよ
◎体力テストも全国平均を大きく下回る
文部科学省が1月、全国の小学5年生と中学2年生を対象に平成20年度初めて一斉に実施した全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果を発表した。学力テストと同様に、大阪は全種目で平均を下回り、全国最下位近くに低迷するという厳しい結果であった。
橋下知事は発表直後から、この結果を真摯に受け止め、課題を分析し、体力向上につながる対策が取れるよう、府教委を通じて市町村教委に結果の自主公表を求める方針を強く示した。それを受けて府教委は1月30日に市町村教委との会議の場で結果の公表を要請したが、自主的に公表したところは2月26日現在で2つの市町村であった。
◎粘り強く自主公表を求める
自民党府議団では、子どもの体力の重要性を主張しており、学校が家庭、地域と連携した取り組みを推進するためにも、未だ自主公表しない市町村教委に対して、粘り強く公表を求めていくべきとの考えから、2月定例府議会で改めて知事の所見を聞いた。知事は「厳しい調査結果は深刻に受け止める。市町村教委が学校や保護者、地域住民に、学校の参加状況を含めた調査結果を公表すべきと考える」と答弁。「今後、多くの市町村が自主公表すると聞いている」との見通しを述べた。4月9日現在、公表14、公表の方向13、検討中4、「参加校が少ないため、学校が特定される」などの理由から公表しないが12であった。
◎参加率は5割
体力テストの参加率についても、全国平均が小学校で71・3%、中学校で72・7%と7割を超えているのに対して、大阪は小学校で50・8%、中学校で51・0%と全国平均を大きく下回った。20年度に初めて実施されたため、事前通知が不十分であったことも指摘されているが、それはどの県も同じである。また学力テストで好成績をおさめた福井県や秋田県は、体力テストの参加率も非常に高く、成績も高い結果を出していることから、学力テストと体力テストの間には密接な相関関係があるように思われる。
◎学校現場の意識改革を
これは単に参加率の問題ではなく、体力の重要性に対する理解が学校現場に十分に浸透していない証拠ではないか。学校現場における意識を改め、21年度は必ず体力テストに参加させるべきだと考える。知事も「学校が子どもたちの体力の状況を把握し、体力向上に向けた取り組みを推進するためには、調査に参加することが重要。引き続き、府教委と連携してすべての学校の参加を目指すよう取り組む」と前向きに答えている。